なぜこれほどまでに世界中の読者が本作に熱狂するのか。その理由は、作者・九井諒子が打ち立てた「冒険×食文化」というまったく新しいグルメファンタジーの概念にある。
青年漫画誌『ハルタ』で連載された本作は、ドラゴンに呑み込まれた妹を救出するため、ダンジョン内に生息するモンスターを調理して食べながら最深部を目指すという前代未聞のストーリーだ。スライムやバジリスク、マンドレイクといったおなじみの怪物を、架空でありながら説得力あふれる調理法で料理に変える手腕は圧巻の一言。緻密な生態系設定と人間ドラマの深みが、単なるコメディの枠を超えた傑作へと昇華させている。