公共空間におけるトイレの設置については、国土交通省が取りまとめた「多様な利用者が安心して利用できる公衆トイレの整備ガイドライン」が重要な指針となっています。本ガイドラインでは、オールジェンダー向け設備の導入を試みる場合であっても、「原則として男女別のトイレを確保した上で、追加的に整備すること」が明記されました。
また、職場環境における法的な設置基準を定めた労働安全衛生規則にも注目が集まっています。同規則第618条では、事業場において「男性用と女性用に区別して便所を設けること」が義務付けられています。
2026年の規則改正により、独立した施錠可能な完全個室型トイレ(いわゆる便房)を設置する場合に限り、例外的な共用運用が認められる選択肢が加わりましたが、これは小規模事業場のスペース制約に配慮した特例に過ぎません。女性従業員のプライバシーと衛生環境を守るための原則的な設置義務は、現在も強固に維持されています。