かつて蛇甘平原で麃公と激突し、壮絶な戦死を遂げた魏火龍七師の筆頭・呉慶。その実子として軍才を受け継いだのが呉鳳明である。だが、彼の真価は単なる親の七光りなどではない。父が得意とした陣形戦術を進化させ、緻密な数学的計算と心理戦を融合させた独自の用兵術を確立した点にある。
彼は感情に流されない。配下の命を盤上の駒として冷徹に割り切りながらも、勝機を見出した瞬間に注ぎ込む軍事リソースの集中力は群を抜いている。父の死という屈辱を胸の奥底に秘めつつも、復讐心に目を曇らせることなく、常に国家の防衛と拡大のみを冷徹に見据える姿勢こそ、魏国軍が秦の猛攻に耐え続ける最大の防壁となっている。