気候変動の主因といえば二酸化炭素(CO2)を思い浮かべがちですが、大気中に放出されるメタンガスはCO2を遥かに凌ぐ熱吸収力を持っています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価基準によると、メタンの温室効果(地球温暖化係数:GWP)は100年間のタイムスケールでCO2の約28倍、大気中に滞留する最初の20年間に限れば80倍以上にも跳ね上がります。
つまり、短期間で急激に大気を暖めてしまう特性があるため、メタン濃度の削減は「温暖化の進行を最も素早く食い止める緊急対策」として国際的に位置づけられています。そのメタン排出源として世界規模で大きな比重を占めているのが、牛をはじめとする反芻(はんすう)家畜のゲップです。成牛1頭が1日に吐き出すメタンの量はおよそ200〜500リットルに及び、これは小型乗用車が毎日数十キロ走行する際に排出する温室効果ガス負荷に匹敵します。