バックヤードで行われる作業は医学的・衛生的に厳密なものですが、そこに携わるスタッフの心情は決してドライな作業ではありません。飼育員の証言や過去の手記を振り返ると、何年も愛情を注いで育ててきた動物を自らの手で解剖台へ運び、見送る瞬間の苦悩と責任感が克明に綴られています。
「動物の死を無駄にしないことこそが、飼育員としての最後の恩返しである」という理念のもと、スタッフは涙を呑んで解剖に立ち会い、得られたデータを次の命を救う糧にしています。
旭山動物園の園内には動物慰霊碑が建立されており、毎年秋には園長をはじめ全職員が集まって動物慰霊祭が厳粛に執り行われています。来園者も手を合わせることができるこの慰霊碑には、来園者に感動を与えて旅立っていった動物たちへの深い感謝と供養の祈りが込められています。