結論から言えば、PlayStation 4 Proで動作する重量級タイトルの多くは、純粋なネイティブ4K解像度(2160p)で描画されていない。3840×2160ピクセルの画面を毎秒30フレームや60フレームで完全に塗りつぶす負荷は、当時のハードウェア規模からすればあまりに荷が重かったからだ。
そこでゲーム機設計のキーマンであるマーク・サーニー(Mark Cerny)氏が率いる開発陣が提示したのが、「チェッカーボードレンダリング」と呼ばれる画期的な再構成技術だ。チェッカーボードのマス目のようにピクセルを千鳥配置で半分だけレンダリングし、前フレームの情報や空間データを組み合わせて欠落したピクセルを補完する。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はこの手法を武器に、負荷を大幅に抑えつつ、人間の目にはほぼネイティブに見えるシャープな質感を作り出すことに成功した。
ごまかしと呼ぶのは早計だ。限られた演算リソースの中で、ピクセル数という数字の追求ではなく「プレイヤーの知覚画質」を極限まで高めたこのアプローチは、コンシューマーゲーム産業全体のグラフィック進化における極めて重要な転換点となった。