当時の現場を知るヘアスタイリストたちの証言によれば、彼女のヘアスタイリングは分単位の妥協なき作業だったという。スタジオの照明熱や長時間の収録に耐えうる保持力を持たせつつ、本番の瞬間に最も美しく躍動する絶妙なスプレーワークが施されていた。
『ザ・ベストテン』の生放送直前、楽屋裏では髪の根元を立ち上げるための緻密な逆毛立てと、ドライヤーの熱を加える作業がギリギリまで続けられた。本人が鏡に向かい、指先でカールを微調整しながら気合を入れる姿は、現場の緊張感を一気に高めたという。ステージ上でライトを浴びた瞬間、髪の一本一本までが歌っているかのような生命感を宿したのは、こうした舞台裏の徹底したこだわりがあったからに他ならない。