日本橋のオタロードから少し外れた路地。午前10時を過ぎる頃には、すでに空気の密度が変わる。列の最後尾を探すこと自体が最初のハードルだ。
スマホを片手に待つ若者、大きなバックパックを背負った外国人観光客、昔からの常連客。多種多様な人々がじっと開店を待つ。平均的な待ち時間は1〜2時間。週末ともなれば、さらに長くなることも珍しくない。
「正気か?」と一瞬ためらうかもしれない。だが、店内から漂ってくる香ばしい揚げ物の匂いと甘辛い出汁の香りが鼻腔をくすぐると、その疑問は吹き飛ぶ。待つ時間そのものが、メインディッシュへの期待を高めるエンターテインメントへと変わっていく。