ネット上の質問コミュニティや知恵袋の投稿を調査すると、「粉末サプリメントを100mg摂りたいが、キッチンスケールで0.01gと量ればよいか」「海外製ビタミン剤の1000mgは10gのことですか」といった危険な思い込みによる書き込みが後を絶ちません。
医療現場の安全情報を収集する公益財団法人日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業レポートにおいても、薬剤の単位誤認(mgとgの取り違え、あるいは小数点の位置誤認)によるインシデントは毎年のように報告されています。100mgと0.01g(10mg)を取り違えると、想定していた有効成分が10倍、あるいは10分の1になる事態を招きます。
特に「薬 用量 mg g 換算」において注意が必要なのが、乳幼児へのシロップや散剤(粉薬)の投与、あるいは抗不整脈薬や免疫抑制剤など「治療域が狭い薬剤」の管理です。薬用量が10倍になれば急性中毒や重篤な副作用を引き起こし、10分の1になれば期待される薬効が全く得られず病状が悪化します。
また、近年のフィットネス・健康ブームに伴い増えている「サプリメント 含有量 計算」の失敗も見過ごせません。海外製サプリメントでは、1回あたりの摂取目安に「500mg」や「1000mg」といった高用量が記載されているケースが多々あります。これをグラム換算する段階で計算を誤り、微細パウダーを家庭用秤で大雑把にすくって過剰摂取し、肝機能障害や消化器症状で救急外来を受診する事例も報告されています。一般的な料理用キッチンスケール(最小表示1gまたは0.1g単位)でミリグラム単位を正確に量ることは原理的に不可能です。