彼女の名が批評家たちの間で決定打となったのは、吉田大八監督の映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』だった。強烈な毒とユーモアが交錯する同作で、彼女が演じた妹・清深の異様な存在感は鮮烈そのもの。コンプレックスと執念を抱えた少女の内面を生々しくえぐり出し、第50回ブルーリボン賞助演女優賞へのノミネートや日本映画批評家大賞助演女優賞などの受賞へと繋がった。
単なる「若手実力派」という曖昧な評価を超え、過剰な自意識や痛みを肉体化できる稀有な表現者として認知された瞬間だった。現場で求められる以上の生々しさを画面に刻み込む嗅覚。彼女の原点は、この容赦ない人間描写の中にすでに確立されていたと言っていい。