実在しないはずの学校名が、なぜここまでリアリティをもって語られるのでしょうか。その由来を紐解くと、かつて渋谷の地に確かに存在した「渋谷女子高校」の劇的な転換期に行き当たります。
現在の超難関進学校として知られる渋谷教育学園渋谷中学・高等学校(通称・渋渋)は、もともと1924年に設立された渋谷高等女学校を前身とし、長らく「渋谷女子高等学校」として親しまれていました。同校が1996年(平成8年)に校名を変更し、共学化と中高一貫教育を導入して進学校へと大規模なリブランディングを遂げた史実が存在します。
1996年といえば、安室奈美恵のブームを契機にコギャルブームが社会現象化し、渋谷センター街が若者文化の震源地として世界中から熱視線を浴びていた時期と完全に重なります。当時の週刊誌やテレビ特番では、「渋谷の女子高生」が時代のアイコンとして連日取り上げられていました。この「渋谷女子高校の共学化改称という歴史の節目」と「平成の渋谷を闊歩した女子高生たちの残像」が、長い歳月を経てネット民の記憶の中で混交し、「渋谷平成女学園」という架空のハイブリッド名へと変容を遂げたと考えられます。