デジタルイラストで「海を描くのが苦手」と感じる人の多くは、水面の立体感や透明度の表現でつまずいています。しかし、プロが実践しているレイヤー構成と光の物理原則を理解すれば、初心者でも驚くほどリアルな海イラストの背景を描き上げることが可能です。
1. ベースとなる海のグラデーション構築
まずは浅瀬のエメラルドグリーンから深海のディープブルーへと滑らかにつながるグラデーションを敷きます。手前の浅い部分は彩度を高く、奥に向かうにつれて明度と彩度を落とすことで、自然な奥行きと水深の深さが生まれます。
2. コースティクス(集光模様)と水底の影
透明感のある水面の描き方で最大のポイントとなるのが、水面を透過した光が海底や水中に描く網目状の模様(コースティクス)です。不規則な多角形を繋げたネットワーク模様を描き、レイヤーモードを「覆焼き(発光)」や「加算(発光)」に設定。さらにその真下にわずかな暗い影を落とすことで、水そのものの厚みと透明度が劇的に際立ちます。
3. 波頭(白波)のハイライトと反射光
打ち寄せる波や水面の揺らぎには、不透明度の高い白でメリハリのあるエッジを描き込みます。波の頂点に強いハイライトを置き、水しぶきをエアブラシや散布ブラシで散らすことで、躍動感のある波しぶきが完成します。