おニャン子クラブの成功を語る上で、フジテレビのバラエティ番組『夕やけニャンニャン』の存在は不可欠だ。平日の夕方5時という、従来は子供向けアニメやドラマの再放送が中心だった時間帯に生放送のアイドル番組をぶつけるという試みは、当時のテレビ界に激震を与えた。
若き日の秋元康らが手掛けた演出手法は、完成されたスターを見せるのではなく、成長過程や楽屋裏の素顔をコンテンツ化するものであった。学校帰りの女子高生が制服のままスタジオに集まり、素人っぽさを残したまま歌い踊る姿は、視聴者に「自分たちのクラスメイト」のような親近感を抱かせた。この「素人性のエンターテインメント化」こそが、後の日本のアイドルビジネスの骨組みを作り上げたと言える。