インターネット上のレビュー文化が定着した現代において、飲食店のあり方は大きく変容した。株式会社カカクコムが運営するグルメレビューサイトをはじめ、ソーシャルメディアの評価が店の命運を左右する時代だ。外食産業全体が激しい競争とコスト高騰に喘ぐ中、味処 松むらのスコアは驚くべき高水準と安定感を保ち続けている。
しかし興味深いのは、ネット上の星の数に一喜一憂する気配が厨房には微塵もないことだ。「数字はお客様が付けてくださるもの。私たちがやるべきことは、目の前の一皿に全力を注ぐことだけ」と板前は静かに語る。デジタルの波に呑まれることなく、実直に手仕事を積み重ねる姿勢そのものが、アルゴリズムを超えた本質的な評価としてデータに反映されているに過ぎない。