近年刊行された話題の史料集『激動の20世紀:大戦の記録』は、当時の出版・メディア報道産業がどのように国民の戦意高揚に加担したかを赤裸々に暴き出している。扇情的な見出し、誇張された戦況報道、絵葉書やポスターを通じた敵国への憎悪の刷り込み。メディアはナショナリズムの炎に油を注ぎ続けた。
同書に収録された当時の未公開通信記録からは、政府高官やジャーナリストが結託し、冷静な講和論を「売国」として徹底的に封殺していったプロパガンダの構造が浮き彫りになっている。活字メディアが世論を過熱させ、その熱狂に政治家自身が縛られていくという悪循環が、そこには克明に刻まれている。