二人の関係を語る上で、避けては通れないのが「前代未聞の結婚契約書」だ。月に数回と定められた夫婦間のルールや、離婚時の財産分与に関するあまりにも具体的な取り決めは、当時のワイドショーを連日ジャックした。プライベートすらも契約というシステムで縛るその手法は、当時の保守的な日本の結婚観に冷や水を浴びせると同時に、ある種のSF的な未来感を漂わせていた。
しかし、この契約書こそが彼らの関係の本質を表していたとも言える。すべてをオープンにし、ルール化することで自由を得ようとした試みは、結果としてメディアの格好の餌食となり、二人の距離を狂わせる引き金となってしまった。先進的すぎたシステムは、感情という生々しい人間らしさの前に、脆くも崩れ去ったのだ。