市場の移転後、旧市場跡地では大規模な「築地まちづくりプロジェクト」が進行している。超近代的なスタジアムや国際会議場、水辺空間の整備など、東京のウォーターフロントは未曾有の変貌を遂げようとしている。最新の都市機能が次々と描かれるマスタープランの傍らで、江戸の記憶を留める神域の重みはむしろ増すばかりだ。
全国の神社を取りまとめる神社本庁の包括下にあっても、この神社が放つ土着のエネルギーは群を抜いている。急激な都市開発の波が押し寄せる現代だからこそ、変わらない祈りの場としての価値が再認識されているのだ。未来都市へと脱皮を図る巨大な工事エリアの隣で、朱塗りの鳥居は揺るぎない威厳をもって凛と立ち続けている。