保険証の色が一人ひとり異なる決定的な理由は、加入している医療保険制度の種類(加入先グループ)が根本から分かれているためです。日本の公的医療保険は「国民皆保険制度」のもと、職種や雇用形態に応じて大きく以下の体系に分類されます。
民間の中小企業に勤める約4,000万人が加入する「全国健康保険協会(協会けんぽ)」では、かつて紙製保険証の時代にオレンジ色などが用いられていた時期もありましたが、カード型への全面移行に伴い視認性に優れた水色(ライトブルー)を標準色として統一採用してきました。加入者規模が日本最大であるため、「社会保険といえば水色」というイメージが広く浸透しています。
一方、大企業が単独または共同で設立する「組合管掌健康保険(単一健保・総合健保)」では、約1,300を超える健康保険組合が独自にカードを設計しています。あるIT大手の健保組合では清潔感のあるペールグリーン、大手電機メーカーではピンクやアイボリーなど、採用カラーは多種多様です。大企業だから青やゴールドになるという規則はどこにもありません。
国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員が加入する「共済組合」の保険証も同様です。文部科学省共済、警察共済、地方職員共済など、組合ごとにイエロー、グリーン、淡いパープルなど独自の色彩を採用しており、公務員だから特定の色になるという単一の基準は存在しません。