一口馬主の世界には、出資口数の設計思想によって異なる2つの明確な潮流がある。一つは、圧倒的な実績を誇る社台グループの直系クラブを中心とした「40口〜500口」の本格派モデル、もう一つは一口数千円から参加できる「2000口〜4000口」のマイクロシェアモデルだ。
サンデーサラブレッドクラブに代表される伝統の40口クラブは、募集総額が4,000万〜1億円超にのぼり、1口あたりの初期費用は100万〜300万円を超える。月々の維持費負担も1頭あたり1万5,000円〜2万円強と高額だが、そのぶん重賞勝利時のリターンは跳ね上がり、馬主気分を直に味わえる熱気がある。
一方、シルクホースクラブ(500口)やキャロットクラブ(400口)といったクラブは、コストとリターンのバランスがよく、会社員層を中心に絶大な支持を集めている。母馬優先制度や会員グレードなどの仕組みが整備され、コミュニティとしての楽しさも成熟している。
対照的に、近年若年層を取り込んでいるのがDMMバヌーシーなどの超多口クラブだ。入会金無料キャンペーンやアプリ完結のUI、数千円からの少額出資を可能にし、競馬を「推し活」感覚で楽しむ層を開拓した。大金持ちの道楽だった世界が、スマートフォンの画面ひとつで日常のエンターテインメントへと民主化された象徴と言える。