「自分のような人間は世の中でごく少数派なのではないか」という疑念は、各種の公的調査やシンクタンクの統計によって明確に否定される。国立社会保障・人口問題研究所が公表している出生動向基本調査によれば、異性の交際相手を持たない未婚者の割合は年々高止まりを続けており、一度も異性と交際したことがない「交際経験ゼロ」の割合は若年層を中心に著しい増加傾向を示している。
民間調査に目を向けても、その傾向は顕著だ。リクルート ブライダル総研が実施した恋愛・結婚調査のデータを紐解くと、20代未婚男性の交際経験のない割合は約3割から4割近くに達し、20代未婚女性でもおよそ4人に1人が交際経験ゼロと回答している。30代に入ってもその割合がゼロになるわけではなく、男性の約2割、女性の1割強が異性と付き合ったことがないと回答しているのが実情だ。
つまり、20代であれば3人に1人前後、30代でも数十万人規模の人々が同じ境遇に身を置いている。交際経験がないことはもはや「特異な少数派の烙印」ではなく、現代の青年・壮年層におけるごく普遍的な生活実態の一つとして定着している。