全国紙であっても、事件や社会事象に対する切り口は各社で際立った個性を見せます。朝日新聞社会部が人権問題や権力の濫用、環境問題といったリベラルな視点からの構造追及に強みを持つ一方、読売新聞社会面は警視庁や最高検察庁など捜査機関への強固な食い込みを背景とした電光石火のスクープ力に定評があります。また、毎日新聞社会面は貧困、障害者福祉、旧優生保護法問題に代表される弱者救済や司法の不条理を粘り強く掘り起こすキャンペーン報道で高い評価を獲得してきました。
各紙の違いを客観的に把握できるよう、主要3紙の社会面における報道特性、取材リソースの配分、そして編集方針を比較表にまとめました。
特筆すべきは、世間を驚かせるスクープの裏側には、数か月から数年にわたる地道な取材の積み重ねが存在する点です。捜査関係者の自宅周辺に通い詰める夜討ち朝駆けはもちろんのこと、公開された登記簿謄本の山を数千通単位でめくり、自治体の情報公開請求で黒塗りされた文書のわずかな隙間から事実を割り出す執念が、各紙のスクープを支えています。紙面を比較することで、各社が社会のどの断面に強い関心を寄せているのかが鮮明に浮かび上がります。