法廷で判決が確定した後、加害者はどこで、どのような日々を過ごしているのでしょうか。殺人犯の現在を追跡すると、拘置所や刑務所の高い壁の向こう側で起きている冷徹な現実が浮かび上がってきます。
確定死刑囚の場合、全国7カ所の拘置所(東京、大阪、名古屋など)にある単独室に収容され、他受刑者との接触は完全に遮断されます。外部との面会や信書の発信は極めて親しい親族や弁護人に限られ、いつ執行の日を迎えるかわからない極度の緊張下で生活を送ります。過去の重大事件で死刑判決を受けた加害者の一部は、支援者を通じて殺人犯の手記と真相を出版する事例も見られます。自著の中で「なぜ止めることができなかったのか」「被害者への償いとは何か」と苦悩を綴る者がいる一方で、自己弁護に終始し、裁判官や社会への怨嗟を書き連ねるケースも少なくありません。公判を取材してきた記者たちの多くは、法廷で見せる「涙の謝罪」が、実刑確定後に再び冷淡な態度へと戻る瞬間に直面し、人間の底知れぬ二面性を痛感させられてきました。
一方、無期懲役囚が収容されるLB級刑務所(刑期10年以上で犯罪傾向の進んだ者を収監する施設)では、規律正しい刑務作業と厳罰の日々が課されます。ネット上では「税金で養われて楽をしている」といった極端な言説が散見されますが、現場の実態は大きく異なります。刑務所内での厳格な規律違反に対する懲罰、高齢化に伴う受刑者の認知症問題、そして何より「いつ出られるか全くわからない」という果てしない絶望が精神を蝕みます。重大事件ニュースの真相まとめとして語られる劇的なドラマの裏側で、加害者が直面する現実は、自らが奪った命の重さを背負い続ける無機質で過酷な時間そのものなのです。