喜び組の起源は、1970年代後半の金正日(キム・ジョンイル)後継者時代にまで遡ります。当時、後継者としての地位を固めつつあった金正日は、父である金日成(キム・イルソン)の長寿と健康を祈願する名目で、全国から選りすぐりの若い女性を集めた専門奉仕グループを組織しました。これが公式・非公式の宴席を彩る特別組織の始まりとされています。
金正日体制が本格化すると、喜び組は指導者の私的なストレス発散や側近幹部への下賜(結束を固めるための接待)という政治的装置へと変貌を遂げました。元専属料理人の藤本健二氏がかつて自著で生々しく描写したように、平壌市内の秘密宴会場や地方の特閣(別荘)で開催される深夜の宴席では、選ばれた女性たちが最新のポピュラー音楽を演奏し、伝統舞踊を披露する光景が日常化していたと記録されています。
2011年末に金正恩(キム・ジョンウン)総書記が権力を継承した際、旧体制の喜び組メンバーは巨額の慰労金や家電製品を与えられて解散・世代交代が行われたと報じられました。新指導者の個人的な嗜好を反映し、組織はより若返りを図りながら、秘密裏に再構築されたのが近年の実像です。