新作ゲームの発売スケジュールをめぐっては、インターネット上で事実無根の言説が既成事実のように語られるケースが散見されます。代表的な誤解が「ゲームの発売延期は開発現場が崩壊している証拠である」という言説です。
しかし、近年のゲーム開発事情を取材すると、現実は全く異なります。現代のマスターアップ(完成)工程では、ゲームの土台が仕上がった後の「品質管理(QA)とバランス調整」に全開発期間の20〜30%もの時間が費やされます。発売延期のアナウンスが出た場合、それは「仕様が決まらず作れていない」のではなく、むしろ「膨大な分岐フラグの検証や、特定グラフィックボードでの最適化バグを潰すための時間を確保した」というケースが大多数を占めます。
また、「リマスターやリメイクの乱発は開発陣の手抜きである」という批判も短絡的です。過去資産の現行機向けリファインは、若手クリエイターに最新エンジンのパイプラインを学ばせる育成の場として機能しており、その収益が次世代の完全新規大型IPの研究開発費(R&D)へ充当されているという産業構造を理解しておく必要があります。