かつて「イカの街」として栄えた北海道・函館や青森の漁港では、深刻な悲鳴が上がっている。暖流の蛇行と海水温の上昇により、スルメイカの回遊ルートが激変し、水揚げ量はピーク時のわずか数パーセントにまで激減した。地元の漁師は「網を入れてもクラゲばかり。イカがどこかへ消えてしまった」と肩を落とす。
この深刻な供給不足は、当然ながら小売価格に直撃している。一杯数百円が当たり前だった時代は去り、今やブランドイカ並みの価格設定もしばしば見かける。素材の確保が難しくなる中で、家庭でイカを煮るという行為自体が、一種のステータスになりつつあるのが現状だ。