もちろん、最初からすべてが順調だったわけではない。改革の初期段階では、「従来の受験に対応できるのか」「教員の指導力に差が出るのではないか」といった不安の声が保護者から相次いだ。教員の間でも、長年親しんできた指導スタイルを手放すことへの抵抗感や、業務量の偏りに対する懸念が存在していた。
状況を打開した鍵は、学習プロセスの完全見える化だった。保護者はいつでもクラウド上のポートフォリオを通じて、我が子がどのような問いを立て、どう課題を解決しているのかを確認できる。成果物だけでなく、「どう試行錯誤したか」のプロセスが共有されることで、保護者の不安は次第に信頼と支援へと変わっていった。