球体のように幾重にも重なる謎と、息をのむ心理戦。関係者への極秘取材で判明したのは、彼が次回作として選んだのが完全オリジナルのサスペンスドラマであるという驚きの事実だ。
舞台は深い霧に包まれた山あいの孤立した町。過去の凄惨な事件を追う元刑事を演じるという。「現場での気迫が尋常ではない」。撮影スタッフの一人は声を潜めて証言する。「テストの段階から完全に役に没入し、周囲の空気を一変させる。監督のカットがかかっても、しばらく誰も声をかけられないほどの緊迫感だった」。怒りと哀愁を同時に宿す目の演技に、現場では早くも傑作の予感が漂っている。