2016年、三田労働基準監督署は高橋まつりさんの自死を長時間労働とパワハラによる労災(過労自殺)と正式に認定した。この認定を勝ち取る原動力となったのが、母である高橋幸美さんの不屈の闘いと、遺された詳細なメールやSNSの記録だった。
幸美さんは娘の死後、企業や社会の不条理を告発し、再発防止を訴える活動を一貫して続けてきた。「まつりのような犠牲者を二度と出してはならない」という母の言葉は、日本中の働く人々の胸を打ち、労働環境の抜本的な見直しを迫る大きなうねりとなった。家族だけでなく、彼女の苦しみを受け止めていた親しい友人や恋人の記憶もまた、労災認定を支える確たる証拠の土台となったのである。