現役引退後、彼の戦場はグラウンドから放送席へと移った。フジテレビONEが誇る伝統番組『プロ野球ニュース』での的確かつ忖度のないコメントや、『DAZN』でのライブ解説は、コアなファンから現役選手に至るまで絶大な信頼を集めている。彼のプロ野球解説・戦術分析は、単なる結果論の解説ではない。打者が何を狙い、バッテリーが何を警戒したのかを数球先まで予見する「先読みのリアリズム」がある。
進化を続けるスポーツメディア産業において、視聴者が求めるのは教科書通りの定型句ではない。配球の意図が外れた瞬間のリスク、勝負所で見せたバッテリーの勇気――谷繁の言葉は、テレビ画面やスマートフォンのモニターを越えて、野球の奥深さをダイレクトに伝える。解説そのものがコンテンツの価値を底上げしているのだ。