梅田駅や北新地駅から地下街直結でアクセスできる大阪駅前第3ビルには、数多くの名居酒屋や老舗喫茶、大衆食堂がひしめき合っています。その地下2階の一角で、常に通行人の目を引く行列を形成しているのがうどん棒大阪本店です。この熱狂的な支持の根底には、徹底した手仕事へのこだわりと、讃岐うどんの本質を崩さない柔軟な進化があります。
同店を率いる店主は、香川県高松市にある「うどん棒 本店」の創業者を実父に持つ正統派の職人です。しかし、大阪店で提供されるうどんは、香川の味をただ機械的に運んできたものではありません。香川県産小麦「さぬきの夢」を中心とした独自配合の小麦粉を使い、気温や湿度に応じて加水率を微調整しながら毎日足踏みと熟成を重ねる純手打ち製法を貫いています。作り置きや茹で置きを一切排し、茹でたての最も状態が良い瞬間を見極めて客席へと運ばれます。
麺の食感は、讃岐うどんにありがちな「ただ硬くて噛みごたえがあるだけの剛麺」とは一線を画します。表面は吸い付くように瑞々しく滑らかで、歯を沈めると中心部にかけて心地よい押し返しがある独特のしなやかさを持っています。この「伸びやかな弾力」と、伊吹島産の上質なイリコや利尻昆布、複数の節類から抽出された雑味のない黄金出汁が合わさることで、毎日でも食べたくなる完成度が生まれています。