現在、テレビ放送業界を取り巻くコンプライアンスの締め付けは過去最高レベルに達している。放送倫理・番組向上機構(BPO)による審議や勧告は、番組の存続だけでなく局全体のスポンサー離れに直結するため、明らかな虚偽や仕込みに対して制作陣は極めて神経質になっている。
かつて許容されていた「バラエティ的なお約束」は通用しない。一般人の発言であっても、名誉毀損やプライバシー侵害、事実無根の誹謗中傷に発展しないよう、裏取りとリーガルチェックが幾重にも行われる。その厳格化された枠組みの中で、いかに「予定調和を壊す刺激的な映像」を届けるかという葛藤が、ディレクター陣を過激な編集手法へと駆り立てる皮肉な構造を生み出している。