吉日を気にする方が最も注意すべきなのは、実は六曜の仏滅よりも「凶日(きょうじつ)」の重なりです。暦の上では大安であっても、物事を始めても結果が出ないとされる「不成就日(ふじょうじゅび)」が重複している日が年に複数回存在します。知らずに「大安だから完璧だ」と思い込んで納車日を設定し、後から不成就日だったと知ってモヤモヤしてしまうケースは後を絶ちません。
さらに暦注には、最悪の凶日とされる「受死日(じゅしにち・黒日)」や、建築や移動に忌まれる「三隣亡(さんりんぼう)」といった日柄もあります。もし気持ちの面で完全な晴れやかさを求めるのであれば、大安や一粒万倍日のカレンダーを見るだけでなく、不成就日と重複していないかを一度チェックしておくのが賢明です。
また、納車日当日の「雨」についてもネット上では賛否両論の議論が巻き起こっています。民俗学や神社神道の観点では、雨は決して不吉なものではなく、以下のように古くから強い吉祥とされてきました。
- 「雨降って地固まる」:基盤が強固になり、これからのカーライフが安定する吉兆。
- 「禊(みそぎ)の雨」:天からの恵みの雨が邪気を洗い流し、新車を浄化してくれるという解釈。
- 「恵みの雨・潤い」:農業社会の日本において、雨は神仏からの福をもたらす象徴。
ただし、現場の物理的リスクという観点からは冷静な注意が必要です。雨天時の納車は、ボディに付着した水滴のせいで納車前の外装チェック(微小な擦り傷やへこみ)が見極めにくくなります。加えて、慣れない新車の運転操作で視界が悪く、濡れて滑りやすい路面を走り出すことになるため、納車直後の物損事故リスクが晴天時より跳ね上がります。雨天そのものは縁起が良いと捉えつつも、店舗での傷チェックは屋根下や照明の効いたピット内で行わせてもらい、当日の運転は晴天時以上に慎重を期す必要があります。