今回、特別に許可を得て一般来館者が立ち入れないバックヤードの非公開ゾーンへと潜入した。分厚いスチール扉の先に広がっていたのは、海水の香りと精密機械の駆動音が支配する、本格的な研究拠点の姿だ。水温や水質がミリ単位で集中管理された巨大循環タンクが整然と並び、最先端の水産養殖システムが稼働している。
案内してくれた飼育技師が指差す先には、稚魚の育成から成魚への成長プロセスを追跡する実験用バイオリアクターがあった。水産庁が推進する持続可能な水産業モデルの実証実験も兼ねており、展示用の魚を単に飼育するだけでなく、資源保護に向けた次世代の養殖技術をここで育んでいるのだ。
さらに、新設された家族向けプログラム「ジュニア・アクアリスト体験」では、子どもたちがこのバックヤードの一部に足を踏み入れ、給餌管理や水質検査のデータ入力を体験できる。魚を「見る」側から「育てる」側へと視点を反転させるこの仕掛けこそが、リニューアルの最大の切り札だ。白衣を着た子どもたちが真剣な眼差しで顕微鏡を覗き込む姿は、単なるレジャー施設の枠を完全に超えている。