木村拓哉の父・秀樹氏の若き日は、高度経済成長期の熱気に包まれた企業人としての歩みから始まった。川崎重工業などの大手企業勤務を経て、アパレル関連の会社へと身を置くなど、初期の職歴は決して芸能とは無縁のビジネス社会にあった。幼少期の木村拓哉が頻繁な転居を経験したのは、父の仕事に伴う環境の変化によるものである。
サラリーマンとしてキャリアを積みながらも、秀樹氏の心の中に常に存在していたのは「自分の城を自らの手で築きたい」という強い独立心だった。組織の枠組みにとらわれず、自身の美意識をダイレクトに表現できる場を求める情熱。それが、後の思い切った転身への原動力となっていく。