『サン・ムーン』で初登場したウルトラビーストの不気味さは、従来のポケモンデザインの文脈を意図的に破壊した革新的な試みでした。クラゲのような半透明の触手を持つウツロイドや、巨大な口とハサミで異様な食欲を見せるアクジキング、折り紙のような幾何学構造のカミツルギなど、既存の生態系から完全に逸脱した姿は「異界の生命体」という設定を見事に体現しています。
この異質さは、かつてドット絵時代に体験した初代ポケモンの不気味なデザインとも共鳴します。赤・緑時代のドット絵は陰影が深く、モルフォンやゴルバット、ベロリンガなどの公式グラフィックは現代よりも遥かに生々しく怪物然としていました。ハードの進化とともに親しみやすい3Dモデルへシフトする過程で、あえてウルトラビーストのような「異物」を投入したことは、シリーズに心地よい緊張感を取り戻す契機となりました。