名前にある「八」という数字。これは単に8種類の食材を意味するわけではない。中国において「八」は「たくさんの」「数多くの」を象徴する縁起の良い数字であり、「宝」は珍味や上質な食材を指す。
始まりは19世紀末、清朝末期の宮廷。宮廷の料理人が余った上質な食材を集めて賄い料理を作ったところ、それが妃の目に留まり絶賛されたという説が有名だ。それが明治時代に日本へと伝わり、日本人の口に合うよう醤油や鶏ガラベースの優しい餡かけ料理へとアレンジされた。
時代を経て、日本の八宝菜は白飯の上にそのままかける「中華丼」という独自のエボリューションまで果たした。この柔軟な適応力こそが、100年以上経った現代でも愛され続ける最大の理由と言える。