スープの進化速度も凄まじい。かつての高田馬場といえば、背脂が浮くコッテリ系か、ガツンと効いた魚介豚骨が主役だった。しかし、今のトレンドはまるで異なる。フランス料理のコンソメ抽出技法を取り入れた黄金色の透き通るスープや、ポルチーニ茸から抽出した重厚な出汁が、若者だけでなくシニア層の心をも掴んでいる。
多様性の波は食のバリアフリー化も加速させた。植物性油脂と大豆ミートだけで本物の豚骨ラーメンのようなコクを再現したヴィーガンラーメン店には、連日欧米からの旅行客が長蛇の列を作る。「宗教や主義を越えて同じテーブルで麺を啜る」。そんな光景が高田馬場の至る所で当たり前になった。スープの一滴に込められたイノベーションは、もはや単なるラーメンの枠組みを完全に踏み越えている。