自分の輪郭が曖昧になってしまう背景には、育った家庭環境が色濃く影を落としているケースも珍しくありません。機能不全家族のもとで育ち、大人になっても生きづらさを抱えるアダルトチルドレンが偽りの自分を形成してしまうのは、過酷な環境を生き抜くための防衛機制でした。
たとえば、親の機嫌を取る「ピエロ」役を担ったり、手のかからない「良い子」を演じ続けたりしてきた子どもは、「ありのままの自分には価値がない」という信念を刷り込まれがちです。これが、大人になっても自己肯定感が低い理由の根本に存在します。条件付きの愛情しか受け取れなかった経験から、「他者の役に立っている自分」しか認められず、結果として自分の本音を抑圧し続けるサイクルが固定化してしまいます。