街中や公園で目にする赤い実の正体を特定する最大のカギは、「実の付き方」と「生えている高さ」の2点にあります。実がブドウのように房状に垂れ下がっているのか、枝の上にポツポツと乗っているのか、あるいは枝を覆い尽くすほど密集しているのかを観察するだけで、候補をぐっと絞り込むことが可能です。
例えば、晩秋の公園で青空に向かって平たい楕円形の実を上向きに固まってつけている高木であれば、街路樹の定番であるハナミズキ(アメリカヤマボウシ)の可能性が極めて高いといえます。一方、住宅街の生垣で鋭いトゲを持ち、枝が見えないほど大量の小粒な実をびっしりと茂らせているのはピラカンサ(トキワサンザシ属)の典型的な姿です。
足元から膝丈ほどの低い位置に、つややかな葉とセットで数粒の上品な実をつけている場合は、センリョウやマンリョウといったヤブコウジ科・センリョウ科の常緑低木と判断できます。視線の高さと実の密集度合いをチェックすることが、同定への一番の近道となります。