アパッチ、ミラ・ローズ、スンスン。ハリベルを語る上で、この3人の従属官(フラシオン)の存在を切り離すことはできない。
彼女たちの関係性は、主従というよりはどこか家族に近い。感情的で暴走しがちなアパッチたちを、ハリベルはいつも一歩引いた視線から、包み込むように制止する。アランカルという種族が忘れてしまったはずの「慈愛」のような温度が、彼女たちの間には確かに流れていた。
アパッチたちが主の危機に命を投げ出して「混獣神(アヨン)」を召喚したあの泥臭い執念は、ハリベルが注いできた情愛の純粋な返礼だったに違いない。打算や利害で結びつくことが多い悪役サイドの中で、彼女たちが見せたあの愚直なまでの忠誠心は、荒涼とした砂漠の世界において奇跡のような光を放っていた。