玉ねぎを食べた後に発生するおならの異変は、大きく分けて「臭いの悪化」と「発生量の増加」という2つの現象が同時に進行することで生じます。この二重構造の引き金を引く最大の要素こそが、玉ねぎ特有の刺激成分である硫化アリルと、難消化性糖質であるフルクタンです。
調理時に涙が出る原因でもある硫化アリルは、玉ねぎの細胞が壊れることで「アリシン」という強い抗菌作用を持つ揮発性硫黄化合物へと変化します。この成分は体内で代謝される過程で胃腸を活発に刺激しますが、同時に腸内へと届いた硫黄成分が分解される際、独特のツンとした臭気を放つ揮発性有機硫黄化合物を産生します。これが、多くの人が実感する硫化アリルとおならの臭いの直結ルートです。
さらに見逃せないのが、ガスの絶対量が増加する生理的プロセスです。管理栄養士や消化器専門医の臨床データによると、玉ねぎに含まれる高濃度の「フラクトオリゴ糖(フルクタン)」は、小腸でほとんど吸収されずに大腸へと直行します。大腸に到達したフルクタンは腸内細菌の格好の餌となり、爆発的なフルクタンと腸内発酵を引き起こします。各種リサーチデータでは、玉ねぎを多量摂取した際の腸内ガス発生量は通常時の約1.5倍に跳ね上がると報告されており、大量のガスに硫黄系の悪臭が乗ることで「耐え難いおなら」として体外へ放出されるのです。