手術跡のチクチクした痛みの正体とは?術後数ヶ月続く違和感の真相

手術跡のチクチクした痛みの正体とは?術後数ヶ月続く違和感の真相

手術跡のチクチクした痛みの正体とは?術後数ヶ月続く違和感の真相について見逃せない 注意点を分かりやすく解説いたします。

傷跡の痛みを評価する上で、皮膚の傷跡そのものがどのような治癒経路を辿っているかを観察することは極めて重要です。創部に過度な張力(引っ張られる力)がかかり続けたり、体質的な炎症反応が遷延したりすると、線維芽細胞がコラーゲンを過剰に産生し、傷口が赤く盛り上がる病的な瘢痕へと発展します。代表的なものが「肥厚性瘢痕」と「ケロイド」ですが、両者の性質と治療方針は大きく異なります。

項目肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)真性ケロイド正常な成熟瘢痕(経過良好)病態の広がり切開創の境界内に留まる元の傷跡を超えて正常皮膚へ拡大傷跡の線に沿って平坦化自覚症状(痛み・痒み)チクチク感、強い痒み、硬直持続的な疼痛、灼熱感、激しい痒み時間経過とともに自然消退時間経過と転帰術後2〜3ヶ月でピーク、1〜2年で軽快自然治癒しにくく、年単位で増悪半年〜1年で白色の線状痕に落ち着く好発部位・要因関節部、腹部など皮膚が引っ張られる場所前胸部、肩甲骨部、耳垂(遺伝的素因大)張力のかかりにくい部位全般編集部の臨床的評価テーピング固定や保湿で保存的改善可能ステロイド注射や専門的治療が必須過度な医療介入は不要で経過観察

上表の通り、傷口のラインを越えずに赤く盛り上がり、触ると硬い状態は肥厚性瘢痕の可能性が高いと言えます。この段階であれば、シリコンジェルシートや遮光・固定テープを用いた圧迫固定、ヘパリン類似物質による保湿などにより、時間の経過とともに瘢痕組織が成熟して平らな白色の傷へと移行していきます。

一方、傷口の縁を越えて周囲の正常な皮膚へカニの足のように赤紫色の病変が染み出し、夜も眠れないほどの痒みやズキズキ・チクチクした痛みが続く場合はケロイドが疑われます。ケロイドは自然消退が期待できないため、形成外科や皮膚科でのステロイド局所注射、抗アレルギー薬の内服などの早期介入が求められます。

佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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