起訴猶予とは?前科・執行猶予との違いや示談のリアルを徹底解説

起訴猶予とは?前科・執行猶予との違いや示談のリアルを徹底解説

起訴猶予とは?前科・執行猶予との違いや示談のリアルを徹底解説について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。

刑事事件における「起訴猶予」とは、被疑事実が明白で有罪に持ち込めるだけの証拠が揃っているにもかかわらず、検察官の裁量によって公訴を提起しない(裁判にかけない)判断を下す処分を指します。根拠となる刑事訴訟法第248条には、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」と明記されています。

最も多くの人が混同しやすいのが、起訴猶予と不起訴の違いです。不起訴処分とは検察官が事件を裁判にかけない決定全般を指す包括的な総称であり、起訴猶予はその中の重要な一類型に位置づけられます。不起訴の理由には「嫌疑なし(人違いなど)」「嫌疑不十分(証拠不足)」もありますが、日本の刑事司法で下される不起訴処分の大部分は、罪自体は成立しているものの温情や諸事情を汲んで見送られる起訴猶予です。

次に切実な関心事となるのが、起訴猶予は前科になるかという点です。結論から述べると、起訴猶予処分によって前科がつくことは法的に一切ありません。前科とは、公開の裁判あるいは略式命令によって有罪判決が確定した事実を指します。起訴猶予は裁判そのものが開かれないため、法的な有罪判決ではなく、前科には該当しません。

また、起訴猶予と執行猶予の違いも根本的な構造が異なります。執行猶予は、裁判で「懲役1年、執行猶予3年」といった形で有罪判決を受けた上で、刑の執行だけを一定期間待ってもらう仕組みです。つまり執行猶予は明確に「前科」がつきます。法廷に立たず即座に刑事手続きが打ち切られる起訴猶予とは、法的な重みがまったく別物です。

さらに見落とされがちなのが、略式起訴と起訴猶予の決定的な違いです。略式起訴(略式命令)は、書類審査のみで迅速に100万円以下の罰金または科料を科す手続きですが、罰金刑であっても立派な刑事罰であり「前科」がつきます。取調室で「早く終わらせたいなら略式手続に同意してはどうか」と打診され、前科の重みを理解しないまま応じてしまうケースが現場では散見されるため、極めて注意を要するポイントです。

松本 悠斗
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松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。