岡山の和菓子を語る上で欠かせないのが、県内外で絶大な知名度を誇る二大巨頭です。しかし、その製法へのこだわりや本当の美味しさを引き出す食べ方については、まだまだ深く知られていません。
大手饅頭伊部屋の「大手まんぢゅう」は、製造工程において良質な備前米で麹を造り、じっくりと熟成させた甘酒を生地に使用しています。餡を包む皮は驚くほど薄く、餡の水分と旨味をぎゅっと閉じ込める役割を果たしています。賞味期限は常温で約7日間とやや短めですが、電子レンジで十数秒温めるか、トースターで軽く表面を焼いて食べると、出来立ての甘酒の香りがふわっと蘇り、格別の風味を堪能できます。
一方、廣榮堂の「きびだんご」は、かつて飢饉の際の救済食だったものを、茶道文化の発展とともに洗練された茶菓子へと昇華させた歴史を持ちます。現代でも余計な保存料に頼らず、厳選された国産素材の甘みを最大限に引き出しています。定番のプレーンに加え、黒糖、白桃、海塩などバリエーションも豊富で、日常のおやつから格式ある贈答まで幅広く対応しています。