ロビーに足を踏み入れた瞬間、思わず息をのむ。吹き抜けの天井から吊り下げられた壮麗なシャンデリアと、壁面を埋め尽くすヨーロッパ絵画のコレクション。江陽グランドホテルが「歩ける美術館」と称される所以が、このエントランスホールに凝縮されている。
調度品の一つひとつが本物のアンティーク。職人が手仕事で彫り込んだ木製家具や、長い歳月を経て深みを増した大理石の質感は、レプリカでは決して醸し出せない風格を漂わせる。館内の随所に配置された美術品を眺めながら歩くだけで、まるで異国の宮殿を散策しているかのような錯覚に陥るほどだ。
エレベーターホールや各フロアの廊下に至るまで、美へのこだわりは徹底している。近年増えているミニマルデザインのホテルでは味わえない、重厚でどこか懐かしい温もりに包まれるひとときは、旅の疲れを心地よく解きほぐしてくれる。