動詞の自他を瞬時に見分ける際、最も強力で再現性が高いアプローチが「何を?」という問いかけ(目的語)を動詞の直前に挿入する裏ワザです。文法用語で言えば「目的語をとるかどうか」という判定基準ですが、専門用語を抜きにして、その動詞の前に「何を?」と問いかけてみてください。
例えば、「壊す」という動詞に対して「何を壊すの?」と尋ねた場合、「おもちゃを壊す」「壁を壊す」とスムーズに意味が通じます。このように動作の直接的な対象(何を?)を自然に要求する動詞が「他動詞」です。一方で、「壊れる」という動詞に「何を壊れるの?」と問いかけると、日本語として明らかな不自然さが生じます。「壊れる」の前に置くべき言葉は「何が?」であり、「時計が壊れる」のように主語の状態変化を示すだけで文が完結します。これが「自動詞」の基本的な仕組みです。
学校教育の現場で教えられる助詞をがの見分け方も、この原理に基づいています。一般に「〜を(目的語)」を必要とする動詞が他動詞、「〜が(主語)」だけで文が成り立つ動詞が自動詞と整理されます。言語学の観点から他動詞に目的語が必要な理由を掘り下げると、他動詞の本質が「主語から発せられたエネルギーが別の対象へと向かい、その対象に変化や影響を及ぼす動作」を表す点にあります。「本を読む」「ご飯を食べる」のように、エネルギーの受け手となる対象が存在して初めて成立するのが他動詞の決定的な性質です。