かつて地震発生直後の震源地予測は、陸上に設置された観測点のデータを集計して行われていた。そのため、沖合で発生する海溝型地震では、初期微動(P波)を捉えるまでにどうしても数秒から十数秒の遅れが生じていた。このタイムラグを極限まで削り取ったのが、日本近海を網の目のように網羅する海底地震津波観測網(S-netおよびDONET)の拡張プロジェクトだ。
2026年現在、海底ケーブル自体を巨大な振動センサーとして活用する「分散型光ファイバセンシング(DAS)」技術が実用化されている。光ファイバ内を走るレーザー光の微小なブレを検出することで、海底全域の揺れを隙間なくリアルタイム監視することが可能になった。陸上にP波が到達する前、海底の亀裂が生じたまさにその瞬間、震源地の座標が解析サーバーへ叩き込まれる。