出向先の顔ぶれは、銀行の規模や系列の広がりによって大きく異なります。メガバンク 出向先一覧を俯瞰すると、主に以下のようなセクターへ分岐します。
- 金融中核子会社・系列企業:系列リース会社、クレジットカード会社、信託銀行、アセットマネジメント、消費者金融子会社など。
- 大企業・優良取引先:総合商社や重厚長大メーカーの財務部・IR部、大手不動産管理会社など。
- 公的セクター・関連機関:信用保証協会、地方自治体の産業振興部門、JETRO、大学法人など。
- 新領域・提携先:FinTechスタートアップ、地域創生ファンド、プライベートエクイティ関連など。
メガバンクの場合、グループ内の受け皿が潤沢であるため、50代前半であれば系列中核子会社で部長クラスや監査役待遇として迎えられるケースも目立ちます。一方で、地方銀行 出向の実態はより生々しい現実を孕んでいます。
地銀の出向先は大半が地場の融資先中小企業です。肩書こそ「専務取締役」「財務担当常務」といった重厚なポストが与えられますが、受入先の実態はオーナー企業特有のワンマン経営であることが珍しくありません。銀行員OBの手記や知恵袋等のコミュニティには、「ワンマン社長の放漫経営に意見したところ、疎まれて孤立した」「銀行出身というだけで現場のプロパー社員から警戒され、情報が一切上がってこない」といった苦悩の告白が溢れています。
さらに出向先での待遇と評判を分ける決定的な要素は、本人の「姿勢」に他なりません。「本店から来てやった」という傲慢なエリート意識が透けて見える元行員は、受入先のプロパー社員から陰で「銀行風(ぎんこうかぜ)を吹かせている」と冷笑され、瞬く間に組織から浮き上がります。逆に、銀行の看板を脱ぎ捨て、中小企業の泥臭い現場オペレーションに敬意を払い、資金繰り改善に真摯に汗を流す人材は「頼れる指南役」として絶大な信頼を勝ち取っています。