そもそも、ノストラダムスの主著である『百詩篇集』(諸世紀)は、フランス語の古語、ラテン語、ギリシャ語、イタリア語が複雑に混ざり合った難解な四行詩の集大成である。象徴的で曖昧な表現が多用されているため、読む者の時代背景や主観によっていくらでも都合よく解釈できる構造を持っていた。
欧米におけるオカルトや宗教的終末論の文脈と、日本において独自の進化を遂げた解釈の間には大きな隔たりが存在する。西洋ではキリスト教の「ヨハネの黙示録」をベースにした神学的な救済や審判の文脈で語られることが多かったのに対し、日本ではより世俗的で具体的な「破滅の恐怖」として消費された点が非常に興味深い。