高校教師が「激務で辞めたい」と口を揃える背景には、小中学校とは異なる高校特有の重層的な業務負担が存在します。高校では教科指導の専門性が極めて高く、難関大学受験に向けた高度な教材研究や共通テスト対策、さらには新学習指導要領に伴う「探究学習」や「情報科」のカリキュラム構築など、授業準備にかかる負荷が大幅に増大しました。
授業以外の「校務分掌」も教員の時間を激しく侵食しています。高校現場で教員を圧迫する主な業務は以下の通りです。
・進路指導業務:大学推薦入試(総合型・学校推薦型)の志望理由書添削、小論文指導、模擬面接、就職希望者への求人開拓と企業対応。
・生徒指導・メンタルケア:不登校生徒への対応、人間関係のトラブル解決、保護者からの過度な要求への対応。
・分掌・学校行事の運営:入試問題の作成・採点管理、文化祭・修学旅行の企画運営、ICT機器の管理、広報活動。
これらの業務が放課後や休日に雪崩れ込み、平日夜遅くまでの残業や持ち帰り残業が常態化しています。文部科学省の調査でも精神疾患による病気休職者数は高水準で推移しており、若手から中堅層にかけて「心身が限界を迎える前に退職したい」と転職を選ぶケースが増加傾向にあります。